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Ticket to ride (T氏の乗車区間)

Ticket to ride (T氏の乗車区間)

青山 悟 刺繍・編み物 All

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東急線の切符をミシンで再現しました。2枚ひと組。これらには、誰かがいつも使っている/いた区間と、時刻が刻まれています。

世の中のデジタル化が進み、生活が便利になっていく一方で、消えゆく運命にある物もあります。例えばお金。財布に現金を持ち歩かない人も増えているのではないでしょうか。他にも手紙、レコード等、あげたらキリがありません。美術作品もNFTの登場と共に、物質としての価値を問い直されています。美術品は維持にコストがかかり、美術館の収蔵庫はどこもいっぱい。財産であるはずの美術品が、負の遺産になってしまいそうです。アートもデジタル化による新しい潮流を歓迎するばかりではく、自らの価値を、歴史を顧みながら証明しなくてはならない時期にきています。

ところで電車の切符を最後に購入したのはいつでしょう?本作品は消えゆく物質への哀悼の意が込められているのと同時に、人間同士がよりフィジカルな繋がりを感じていた時代を表す、ささやかなモニュメントでもあります。切符を切る音と、ミシンの音を思い出しながら手に取ってもらえれば幸いです。

*シリーズ3作目となる今作は、東急社員Tさんの区間です。Art Valleyのプロジェクト・リーダーでもあるTさんが選んだ区間は自宅がある日吉駅から仕事場がある渋谷駅。
以下、Tさんからのコメントです。

「‘働く’という事を考える、見つめ直す切符。
コロナになり、働き方が変わり、それまでは現場責任者兼務だったので、行きは7:00ぐらいの日吉発、帰宅は21:00ぐらい渋谷発という生活が、コロナ影響による事業撤退で、現場がなくなり事務ワークのみという、全ての景色が一変しました。
現場は‘時間=生産’というものにまだまだ縛られていますが、事務ワークはどこで仕事をしても結果が出ればいいという、時間と生産は結び付きづらくなった様な気がします。
‘働く’って何だろうと考えさせれた機会であり、原点に戻れた様に思います。
私の場合は、働くという事は、社会人になってから変わらないポリシーとして、‘自己実現’の場である事です。この3年間で、シンプルに考えられる様になりました。この打刻された数字(時間)は、私の‘働く足跡’です。」

パンデミックを経て、自らの労働の在り方を問い直しているTさん。きっとTさんと同じ思いをしている方も多いのではないでしょうか?

 

素材 ポリエステルオーガンジーにミシン刺繍
サイズ 各30mm(縦)×57.5mm(横)、2点組
制作年 2023
額装 アクリルケースあり
NFT証明 なし
紙の作品証明書 あり
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