Bert Tape 4

コラージュでありながら、主にノリを使わず、カッターで切られた縦横のパーツを織物の様に、差し込み組み合わせるウィービング手法にて制作した作品です。

古本など本物の既存スコアブックからサンプリングされた本作は、まず１つの楽曲の別のページから、似たような音符配置を４つ探し出すことから始まります。
４つ並べられた音符配置パーツを、同じくスコアから切り出された細いパーツで織り込み組み立てられ、下部に配置しています。これは１フレーズを反復させて作曲するブレイクビーツ（HIPHOPのトラック）の手法自体を引用しています。
同時に上部にはHIPHOPで言う元ネタ、サンプリングソースのオリジナルが見え隠れするように、表紙にある曲名や作曲者の情報がわかり易くコラージュされています。
サンプリングアート、シュミレーショニズムから大きな影響を受けた作家として、最も敬愛するHIPHOPカルチャー、そのブレイクビーツ思想をビジュアル化した作品です。

スコア自体の楽曲や作者そのものに作家自身の思い入れやストーリーはなく、上記のコンセプトに沿って美しく構成できるビジュアル要素のみを重視し、選択されています。サンプリングアートとは無慈悲にコピー＆ペースト、再構築される事が核であると、作家は考えています。